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食道がんステージ4の肝転移が消失、13年無再発の66歳男性の症例

This Article Covers

この記事でわかること

本症例の概要:肝臓に多発転移があり手術ができない食道がんステージ4と診断された53歳男性が、抗がん剤に樹状細胞ワクチン療法を併用。CTで肝転移の消失を確認し、抗がん剤を副作用で中止したあとも樹状細胞ワクチン療法を続け、診断から13年が経った現在も無再発で経過しています。

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この症例では、肝臓に多発転移のある食道がんステージ4(53歳男性)に、抗がん剤と樹状細胞ワクチン療法を併用し、
肝転移が消失し、診断から13年経った現在も無再発で経過しています。
同じように食道がんステージ4・肝転移で、標準治療中・標準治療後の方は、
次に検討すべき治療を考えるタイミングです。ご相談は無料です。

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    食道がんステージ4(Ⅳ期)とは

    食道がんは、日本では約9割が扁平上皮がんというタイプです。ステージ4は、がんが食道の壁を越えて周囲の臓器に広がったり、離れた場所に転移したりした段階を指します。日本食道学会の分類では、大動脈や気管など周囲の臓器へ浸潤している場合や、離れたリンパ節に転移している場合をⅣA期、肝臓・肺・骨など離れた臓器に転移している場合をⅣB期と分けています。

    本記事の症例は、肝臓に多発転移があるⅣB期に相当します。この段階では、がんを手術で取りきることは通常できません。治療の中心は、体全体に効く薬物療法になります。

    ステージ4の5年生存率

    国立がん研究センターの院内がん登録による集計では、食道がんⅣ期の5年相対生存率は1割前後にとどまります。ただしこれは、診断時の状態がさまざまな患者さん全体の平均です。転移の場所や数、体力、治療への反応によって経過は大きく異なり、統計の数字がそのまま目の前の一人に当てはまるわけではありません。

    症状と、肝転移で起こること

    食道がんの代表的な症状は、食べ物のつかえ感、飲み込むときの痛みや違和感、体重減少です。本症例も、食事のときの違和感がきっかけで見つかりました。進行すると、声のかすれ(反回神経への影響)、咳や誤嚥(気管への浸潤)、胸や背中の痛みが出ることがあります。

    肝転移そのものは、初めのうちは症状が出にくいのが特徴です。転移が大きくなったり数が増えたりすると、だるさ、食欲低下、右のわき腹の重さ、黄疸などが現れます。症状がないうちにCTで見つかることも珍しくありません。

    検査方法

    内視鏡検査・生検 食道の内側を直接観察し、組織を採って診断を確定します。がんの広がりや狭窄の程度も分かります。
    CT・PET-CT リンパ節や肝臓・肺など離れた臓器への転移を調べ、ステージを決めます。治療の効果判定にも使います。
    超音波内視鏡(EUS) がんが食道の壁のどの深さまで達しているか、周囲のリンパ節の状態を詳しく見ます。
    腫瘍マーカー SCC抗原、CEA、CYFRAなど。診断の補助と、治療中の経過の目安に使います。
    バイオマーカー検査 PD-L1(CPS)の発現などを調べ、免疫チェックポイント阻害薬の使い方を決める材料にします。

    治療方法(切除不能・転移のある食道がんの標準治療)

    肝臓など離れた臓器に転移がある場合、手術で根治を目指すことは難しく、全身に効く薬物療法が治療の柱になります。2026年時点の標準的な考え方を整理します。実際の選択は、体力、合併症、バイオマーカーの結果をふまえて主治医と決めていきます。

    一次治療 抗がん剤(5-FU+シスプラチン)に免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ、またはペムブロリズマブ)を組み合わせる治療が標準になっています。扁平上皮がんでは、ニボルマブ+イピリムマブという抗がん剤を使わない組み合わせも選択肢です。
    二次治療以降 タキサン系抗がん剤(パクリタキセル、ドセタキセル)などを用います。一次治療で免疫チェックポイント阻害薬を使っていない場合は、ニボルマブ単剤も選択肢になります。
    放射線治療 食道の狭窄や痛みをやわらげる目的で、局所に放射線をあてることがあります。転移が限られている場合には、抗がん剤と組み合わせた化学放射線療法を検討することもあります。
    症状をやわらげる治療 食べ物が通りにくいときは、食道ステントや胃ろうで栄養の経路を確保します。痛みや倦怠感への対応も、治療と並行して行います。

    当グループの考え方:標準治療に免疫の力を足す

    当グループでは、抗がん剤や放射線などの標準治療を土台にしながら、患者さんご自身の免疫ががんを攻撃できる状態をつくることを目指します。免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法、免疫の〈ブレーキ解除〉として免疫チェックポイント阻害薬、局所で免疫のスイッチを入れる放射線治療などを、患者さんの状況に応じて組み合わせる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で設計します。

    抗がん剤が効いている間に免疫療法を始めておくと、抗がん剤を減らしたり中止したりしたあとも、免疫療法だけで経過を見られる場合があると考えています。本記事の症例は、まさにその経過をたどった一例です。

    よくある質問(FAQ)

    Q. 食道がんステージ4は手術できますか?

    肝臓など離れた臓器に転移がある場合、手術でがんを取りきることは通常できません。治療の中心は薬物療法になります。ただし、薬物療法でがんが小さくなり、限られた病変だけになった場合に、手術や放射線を検討することはあります。

    Q. 肝転移があっても、免疫療法は受けられますか?

    受けられます。当グループでは、抗がん剤などの標準治療と並行して樹状細胞ワクチン療法を行うことが多く、本症例も抗がん剤と併用して開始しています。体力や血液検査の結果をみて、開始時期と組み合わせを個別に決めます。

    Q. 抗がん剤を副作用でやめたあとでも相談できますか?

    できます。本症例も、抗がん剤を副作用で中止したあとは樹状細胞ワクチン療法だけを続けて経過をみています。これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、次に検討できる選択肢をご説明します。

    Q. 樹状細胞ワクチン療法はどのくらいの期間続けるのですか?

    1クール(7回)を基本の単位とし、経過に応じて間隔をあけながら継続する方が多くいらっしゃいます。本症例は開始から12年以上、間隔を調整しながら続けています。期間は経過と相談しながら決めます。

    Case Report ─ 当院の改善症例

    重要症例

    食道がん
    50代(診断時)
    男性
    ステージ4
    多発肝転移
    抗がん剤
    樹状細胞ワクチン療法
    肝転移消失
    13年無再発

    この症例のポイント

    • 診断名:食道がん ステージ4(肝臓に多発転移)。53歳男性(診断時)
    • 2013年7月、食事の際の違和感をきっかけに精査し、肝臓に多発転移を伴う進行食道がんと診断。手術の適応なし
    • 抗がん剤(5-FU+シスプラチン)で進行し、2種類目(ドセタキセル)へ変更。2014年1月から樹状細胞ワクチン療法を併用
    • CTで肝転移の消失を確認(2013年11月→2015年6月)
    • 副作用で抗がん剤を中止したあとも樹状細胞ワクチン療法を継続し、診断から13年、無再発。趣味の釣りを楽しまれている

    食道がんの肝転移は、抗がん剤+免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)で消失し、13年無再発

    ここまで食道がんステージ4の標準的な治療を整理しましたが、当グループでは、抗がん剤に樹状細胞ワクチン療法を組み合わせることで、肝転移が消失し、その後も長く再発のない経過をたどった患者さんを経験しています。抗がん剤を副作用で中止したあとは免疫療法だけで経過をみており、診断から13年が経ちました。実際の経過をご紹介します。

    患者情報

    患者さま 53歳 男性(診断時)。2026年3月末現在 66歳
    診断名 食道がん
    ステージ 4(肝臓に多発転移)
    状態 手術の適応なし。抗がん剤で進行
    治療内容 抗がん剤(5-FU+シスプラチン → ドセタキセル)+樹状細胞ワクチン療法(現在も継続中)
    治療費 料金表ページをご覧ください。

    経過

    2013年7月 食事の際の違和感をきっかけに精査。肝臓に多発転移を伴う進行した食道がんと診断。手術の適応なし
    抗がん剤 5-FU+シスプラチンを開始するも進行。2種類目のドセタキセルへ変更
    2014年1月 樹状細胞ワクチン療法を開始。抗がん剤と併用
    2015年6月 CTで肝転移の消失を確認(治療前2013年11月との比較)
    抗がん剤中止 副作用が出てきたため抗がん剤を中止。以降は樹状細胞ワクチン療法を継続しながら経過観察
    2026年3月末 診断から13年、免疫療法開始から12年以上。無再発で樹状細胞ワクチン療法を継続中。趣味の釣りを楽しまれている
    食道がん肝転移の治療前後CT比較。2013年11月に認めた肝臓の多発転移が、2015年6月には消失している。
    ▲ 治療前(2013年11月)に認められた肝臓の多発転移が、治療後(2015年6月)には消失していることが確認できます。

    治療の考え方(SynerTri®)

    当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押ししていきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。

    本症例では、標準治療としての抗がん剤に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を組み合わせました。抗がん剤が効いているうちに免疫療法を始め、抗がん剤を中止したあとは免疫療法を軸に経過をみる、という設計です。

    副作用・リスク

    免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では副作用が認められることはほとんどありませんが、未知の副作用等が起こる可能性は否定できません。主な副作用は以下のとおりです。

    • 成分採血時:めまい、吐き気(迷走神経反射)、口の周り・手足のしびれ など
    • 細胞培養時:培養時の細菌等による汚染 など
    • ワクチン接種時:注射部位の発赤、皮疹、発熱

    本症例は、肝臓への多発転移を伴い手術が困難な食道がんステージ4という厳しい状況から、抗がん剤と樹状細胞ワクチン療法を併用することで肝転移が消失し、診断から13年が経過した現在も無再発で経過している一例です。ただし治療効果には個人差があり、すべての患者さんに同様の結果が得られるとは限りません。

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      ※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。本記事は医師の監修のもと作成しています。個別の治療方針については、担当医師にご相談ください。
      矢﨑雄一郎医師 プレシジョンクリニック東京院長

      監修:矢﨑 雄一郎 医師
      プレシジョンクリニック 東京院長 / 医療法人社団プレシジョンメディカルケア理事長
      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。約6,000症例の免疫療法を主導し、進行がんにおける個別化免疫治療(SynerTri®)プロトコルを確立。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法(樹状細胞ワクチン)の開発企業であるテラ株式会社の創業者。
      詳しい経歴はこちら

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