Japan's First RAS Inhibitor Clinic
〜RAS(KRAS)変異がんでお悩みの方へ〜
長らく「薬で標的にできない」とされてきたRAS変異。2021年以降、それを直接ねらうRAS阻害薬が次々と登場しています。
変異の「型」・がんの種類・治療歴をもとに、承認薬・治験・研究段階の薬剤・免疫療法の観点から、次に検討すべきRAS(KRAS)変異がん治療を個別に提案します。
RAS阻害薬(RAS Inhibitor)とは、がんの増殖を駆動するRAS(KRAS)遺伝子変異を直接ねらう分子標的薬です。RAS変異は長年「薬で標的にできない」とされてきましたが、2021年のソトラシブ承認を皮切りに、変異の型(G12C・G12D・G12V・G12R)ごとの薬剤開発が世界中で進んでいます。代表例が複数のRAS変異を1剤でカバーするPan-RAS阻害薬「ダラクソンラシブ(daraxonrasib/RMC-6236)」で、第III相RASolute 302試験で全生存期間の延長が報告されました(O'Reilly EM ら, NEJM 2026, DOI:10.1056/NEJMoa2605555)。
What is the RAS Mutation
RAS(ラス)遺伝子は、細胞の増殖シグナルを制御する「スイッチ」のような役割を持つ遺伝子です。RAS変異が起こると、このスイッチが「常時ON」状態になり、がん細胞が無秩序に増殖します。次の図のように、正常なRASは必要な時だけONになり役目を終えるとOFFに戻りますが、変異したRASはOFFにできず「常時ON」のままになります。
ヒトのがん全体の約30%、膵臓がんの90%以上にRAS変異が存在しますが、長年にわたり「ドラッガブルでない(薬で標的にできない)」とされてきました。しかし2021年以降、RAS変異を直接ターゲットにするRAS阻害薬(RAS Inhibitor)が次々と登場し、状況は大きく変わりつつあります。
What is the RAS Mutation
| 変異の型 | 多いがん種 | 国内承認薬 | 研究段階・治験の薬剤 |
|---|---|---|---|
| KRAS G12C | 肺がん・大腸がん | ソトラシブ(承認あり) | エリロンラシブ(RMC-6291)ほか |
| KRAS G12D | 膵臓がん | 直接の承認薬なし | ゾルドンラシブ(RMC-9805)治験 |
| KRAS G12V | 膵臓がん・肺がん | 直接の承認薬なし | RMC-5127 ほか(臨床試験移行中) |
| 複数の型(Pan-RAS) | 膵臓がんを含む幅広いがん種 | 直接の承認薬なし | ダラクソンラシブ(RMC-6236)治験 |
※ 承認・治験状況は2026年5月時点で、国・がん種・治療ラインにより異なります。研究段階・適応外の薬剤には効果が確立していないものが含まれます。実際に検討できる選択肢は、KRAS/RAS変異の型がわかる遺伝子検査結果をもとに個別にご説明します。
RAS Inhibitor Family — Latest Updates
変異の「型」ごとに、新しいRAS阻害薬の開発が世界中で進んでいます。代表格のダラクソンラシブは、第III相RASolute 302試験で化学療法と比べ全生存期間の延長(13.2ヶ月 vs 6.7ヶ月、HR 0.40、死亡リスク約60%低下)が報告されました(O'Reilly EM ら, N Engl J Med. 2026, DOI:10.1056/NEJMoa2605555/ASCO 2026 Plenary)。当外来では独自システム「RAS Watcher」で最新の開発・治験状況を毎週アップデートしています。(承認・治験状況は2026年5月時点)
ここで紹介する薬剤の多くは、国内未承認または研究段階のものを含みます。使用を検討する場合は、医師の責任のもとでの個人輸入、拡大アクセス制度(EAP)、治験への参加などが前提となり、効果が確立していないものもあります。適応・入手可否・費用・リスクは、KRAS/RAS変異の型がわかる遺伝子検査結果をもとに、相談の上で個別にご説明します。
Why Our RAS Clinic
KRAS変異そのものを標的にしたネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法を実施。患者個別のHLA型・変異タイプに合わせて設計します。
樹状細胞ワクチン療法 →PubMed・ClinicalTrials.gov・FDA等を独自システム「RAS Watcher」で毎週自動アップデート。世界最前線の情報をいち早く患者さまへ提供します。
エクソーム解析および各種リキッドバイオプシーを個別に実施。KRAS変異タイプの同定から、最適な治療プランの構築まで一貫対応します。
リキッドバイオプシーとは →海外からの患者さまにも英語で対応するSynerTri Immunotherapy®プログラムを提供。アジア・欧米からの来院実績があります。
海外の患者さま向けご案内 →RAS変異の「型」を起点に、承認薬・治験・研究段階の薬剤・免疫療法をどう組み合わせて検討しうるか——ゲノム情報をもとにチームで整理し、メリットとリスクを正直にご提案いたします。
Frequently Asked Questions
RAS(KRAS)変異がんの患者さま・ご家族から実際に多く寄せられる質問にお答えします。
RAS Inhibitor Columns
専門医が最新エビデンスを解説するコラムです。
ASCO Plenary Sessionで発表された第III相RASolute 302最終解析を専門医が速報解説。全生存期間13.2ヶ月、死亡リスク60%低下の確定データ。
世界初のPan-RAS阻害薬。第III相試験で化学療法比・全生存期間約2倍延長(13.2ヶ月 vs 6.7ヶ月)。承認状況・副作用・日本での見通し・KRAS変異検査まで専門医が解説。
Supervising Physician
監修医師How to Consult
RAS(KRAS)変異がんについて、初めての方でも相談しやすいよう、4つのステップで進めます。標準治療中・標準治療後のいずれの段階でもご利用いただけます。
相談フォームに、診断名・現在の治療状況・相談したい内容をご入力ください。
KRAS/RAS変異の型がわかる遺伝子検査結果・画像検査・これまでの治療歴を確認します。
承認薬・治験・研究段階のRAS阻害薬・免疫療法の観点から、メリットとリスクを整理します。
ご入力内容を確認したうえで、担当者より折り返しご連絡します。
プレシジョンクリニックのRAS変異がん専門外来では、ゲノム解析に精通した医師がチームを組み、KRAS/RAS変異の型に基づいて、承認薬・治験・研究段階の薬剤・免疫療法の観点から確認すべき選択肢を整理します。標準治療に加えて検討できる選択肢をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。