この症例のポイント
膵頭部がん ステージⅢ。上腸間膜動脈浸潤があり、手術・放射線治療の適応なし。リンパ節転移・遠隔転移なし。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 診断 | 慢性的な下痢の精査で行ったCTで膵頭部がんと診断。上腸間膜動脈浸潤のため手術・放射線治療の適応なし。 |
| 治療開始 | 抗がん剤(FOLFIRINOX)と樹状細胞ワクチン療法を開始。 |
| 縮小 | 腫瘍は半分に縮小し、血管浸潤も半分に。 |
| 陽子線治療 | 陽子線治療(全20回)と抗がん剤(TS-1)を開始。 |
| 経過 | 終了後のCTで腫瘍はさらに半分に縮小し、診断時の1/4に。腫瘍マーカーも大幅に低下。現在も元気に当院外来へ通院中。 |

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、標準治療としての抗がん剤(FOLFIRINOX、のちにTS-1)に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を、局所療法〈スイッチ〉として陽子線治療を組み合わせています。
局所進行膵臓がんでは、まず抗がん剤と免疫療法で縮小させ、放射線や手術といった局所療法が使える状態をつくる順番が大切です。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。本症例:樹状細胞ワクチン療法 4ヶ月・7回投与/陽子線治療 20回(連携医療機関にて実施)。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では重い副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
手術や放射線が当初できなくても、抗がん剤と免疫療法で縮小すれば局所療法が可能になる場合があります。この症例は縮小後に陽子線治療を受け、診断時の1/4まで縮小しました。全員に当てはまるわけではありません。
当院では連携する粒子線治療施設をご紹介します。当院の免疫療法と並行して行い、治療の順番と時期を主治医と調整します。
併用できます。樹状細胞ワクチン療法自体の副作用はほとんどなく、抗がん剤の効果を後押しする設計です。副作用が強い場合は抗がん剤の減量や切り替え(TS-1など)を主治医と相談します。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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