この症例のポイント
膵臓癌と診断された方は、膵臓癌の治療選択肢のページもご覧ください。
膵臓がん ステージⅣ(肝転移)。膵臓がんの進行のため、手術による切除はできない状態でした。
本症例では、標準治療である抗がん剤治療を軸に、経過に応じて免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を併用しました。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 診断時 | 膵臓がんステージⅣ・肝転移。進行のため手術は不能。 |
| 抗がん剤導入 | ジェムザール+TS-1を開始。2コース実施した時点で進行が停止。 |
| 治療調整 | 抗がん剤の副作用が出現したため、投与量を減量。 |
| 免疫療法の併用 | 免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)を開始。 |
| 経過 | 原発巣・肝転移の消失、腫瘍マーカーの正常化を確認。 |

当グループでは、標準治療(抗がん剤)を土台としつつ、プラスアルファで免疫の働きで後押していきます。進行がんでも免疫の働きを強化するために、患者さまの状況に応じて複合的に免疫を改善させる独自のプロトコルSynerTri®(シナトリ/学術名 iCCI)で個別に免疫治療を設計します。
本症例では、標準治療としての抗がん剤(ジェムザール+TS-1)に、免疫を活性化する〈アクセル〉として樹状細胞ワクチン療法を組み合わせています。
膵臓癌ステージ4に対する当院の治療の組み立て(抗がん剤と免疫療法・分子標的治療をどう組み合わせるか)は、膵臓がんステージ4の治療選択肢|標準治療後・KRAS・免疫療法の相談にまとめています。
樹状細胞ワクチン療法は、1セット(7回)を1つのクール(治療単位)として実施します。本療法は、最初のクールを終えたあとも治療を継続される方が多くいらっしゃいます。
当院の治療はすべて自費診療(保険適用外)です。費用は改定される場合があるため、最新の金額は料金表をご確認ください。なお、クール終了後に治療を継続される場合は、別途費用がかかります。
免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)では副作用が認められることはほとんどありません。主な副作用は以下のとおりです。
院長から
副作用で抗がん剤を減らすとき、減らした分を免疫で補うのが私たちがよく行う組み立てです。この方は、2コースで進行が止まったあと副作用で抗がん剤を減量し、樹状細胞ワクチン療法を併用しました。減量した抗がん剤に免疫療法を重ねたことが、原発巣と肝転移が消失した経過に寄与できた可能性があると考えています。
この症例は副作用のため抗がん剤(ジェムザール+TS-1)を減量し、樹状細胞ワクチン療法を併用しました。その後、原発巣と肝転移の消失、腫瘍マーカーの正常化を確認しています。減量した分を免疫の力で補う設計は、当院がよく行う組み合わせです。
この症例では治療経過のなかで原発巣・肝転移の消失を確認しました。ただし治療効果には個人差があり、同じ結果をお約束するものではありません。肝転移があっても治療を続ける設計は可能です。
1クールは7回・約4か月です。この症例のように抗がん剤と並行して行い、最初のクールを終えた後も継続される方が多くいらっしゃいます。継続の要否は経過を見ながら一緒に決めます。
※治療効果には個人差があり、すべての患者さまに同様の結果が得られるとは限りません。また、本症例で用いた治療には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。
監修:矢﨑 雄一郎 医師
プレシジョンクリニック 東京院長/医療法人社団プレシジョンメディカルケア 理事長 | 専門分野:一般外科・消化器外科
がんゲノム情報に基づく個別化医療と免疫療法を専門とし、標準治療と組み合わせた治療設計に取り組んでいます。著書『免疫力をあなどるな!』。
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