無料医療相談

FREE CONSULTATION

TOP › コラム › テーマ › 免疫療法 › 膵臓癌の標準治療を専門医が解説|手術・抗がん剤・放射線と2026年最新動向

免疫療法

投稿日:2022.12.1/更新日:2026.9.22

膵臓癌の標準治療を専門医が解説|手術・抗がん剤・放射線と2026年最新動向

この記事でわかること

  • 膵臓癌の標準治療は「手術・抗がん剤・放射線(粒子線)」の3本柱で、病期と全身状態で選ばれます。
  • ステージ4(遠隔転移あり)では手術での根治は難しく、抗がん剤治療が中心になります。
  • 主なレジメン(FOLFIRINOX、GnP、S-1、オラパリブ等)の特徴・効果・限界を、数値と出典つきで整理します。
  • 2026年の最新動向(NALIRIFOX、KRAS/RAS阻害薬、mRNAネオアンチゲンワクチン)を、期待だけでなく限界も含めて評価します。

膵臓癌は治療が難しい癌の一つとして知られています。しかし、選択肢ごとの効果と限界を正しく理解しておくことは、ご自身に合った治療を主治医と一緒に選ぶうえで大きな助けになります。本記事では、膵臓癌の標準治療を専門医の視点で解説し、あわせて2026年時点の新しい研究動向を、エビデンスの強さに踏み込んで紹介します。

結論から:膵臓癌の標準治療の骨格は、手術・抗がん剤・放射線の組み合わせです。近年はKRAS(RAS)阻害薬やmRNAネオアンチゲンワクチンなど、機序の新しい治療が臨床試験で有望な結果を出し始めていますが、その多くはまだ「研究段階」または「国内未承認」であり、標準治療として確立したものではない点に注意が必要です。

膵臓癌の標準治療とは

膵臓癌の標準治療は、病期(ステージ)や患者さんの体力に応じて選ばれる治療法で、主に手術・抗がん剤治療・放射線治療(粒子線治療を含む)があります。なかでもステージ4のような進行例では手術が適応外となる場合が多く、抗がん剤治療が主な選択肢になります。

国内では『膵癌診療ガイドライン2025年版(第7版)』が最新の指針です。同版では、切除可能膵癌の標準治療を「術前・術後の補助療法+切除」とする位置づけが引き継がれ、予防的な拡大リンパ節郭清の意義は否定されました。近年は、低侵襲手術(腹腔鏡・ロボット支援)や高齢者への手術適用、周術期のサポートなど、「安全で生活の質に配慮した過不足のない治療」へと議論の重心が移っています。
出典:日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン2025年版(第7版)。膵臓 40巻6号 解説より。

膵臓がんのステージ別 治療選択の流れ(模式図)

図:ステージ別 治療選択の流れ(プレシジョンクリニック作成)

膵臓癌治療における手術

手術は、膵臓癌で根治を目指せる治療手段です。ただし全員が受けられるわけではなく、癌の広がり・血管への浸潤・全身状態を総合的に判断して適応を決めます。一般的に手術の対象となるのは、ステージ1〜2の比較的早期の癌、または化学療法で腫瘍が縮小し切除可能と判断されたステージ3の癌です。

部位により膵頭十二指腸切除術(Whipple手術)や膵体尾部切除術などが選択され、いずれも高度な技術を要します。当初は切除不能と判断されても、化学療法や化学放射線療法で腫瘍が縮小・血管浸潤が軽減し、新たに手術が可能になることがあります。これをコンバージョン手術と呼びます。実施機会は多くありませんが、長期生存につながる可能性があるため、治療経過のなかで慎重に検討されます。

一方、ステージ4のように遠隔転移がある場合、手術での根治は困難です。この段階では化学療法を中心に病勢をコントロールし、生活の質を保ちながら過ごせる期間を延ばすことが現実的な目標となります。

標準治療における抗がん剤

ステージ4の膵臓癌に対する標準治療は、主に抗がん剤治療です。使われる薬は大きく2種類に分かれます。一つは増殖する細胞を広く攻撃する殺細胞性抗がん剤、もう一つは癌細胞の特定の分子に働きかける分子標的薬です。

殺細胞性抗がん剤

殺細胞性抗がん剤は、癌細胞を直接攻撃する一方、正常な増殖細胞も傷つけるため、副作用が出やすい傾向があります。多くの方がイメージする「抗がん剤」はこのタイプです。現在、膵臓癌で承認されている抗がん剤の多くが殺細胞性であり、副作用は治療が長引くにつれ蓄積することもあるため、効果と将来の影響を見ながら慎重に進める必要があります。

分子標的薬

分子標的薬は、特定の遺伝子異常などを狙うため、相対的に正常細胞への影響が少なく、副作用が軽減される傾向があります。ただし「副作用がない」わけではなく、薬剤ごとに固有の副作用(皮膚障害、下痢など)があります。膵臓癌で使える分子標的薬は、適応となる遺伝子変異を持つ一部の患者さんに限られる点が現状の課題です。

標準的な抗がん剤治療の副作用

主な副作用として、吐き気・嘔吐、骨髄抑制(貧血・感染リスク・出血傾向)、食欲不振、脱毛、倦怠感、末梢神経障害(しびれ)などがあります。生活の質(QOL)を保つために、制吐薬や支持療法などの副作用対策が治療と同じくらい重要になります。

膵臓癌の主な抗がん剤レジメン

FOLFIRINOX(FFX)/modified FOLFIRINOX

5-FU・イリノテカン・オキサリプラチンに、5-FUの効果を高めるレボホリナートを加えた多剤併用療法です。2週間ごとに繰り返し、1回あたり約2日間かかるため、外来・在宅では皮下埋め込み型ポートの造設(小手術)が必要になります。最も推奨度の高い一次治療の一つですが、感染症・下痢・しびれなどの副作用頻度が高く、全身状態が良好な方が対象です。副作用軽減のため減量した投与法(modified FOLFIRINOX)も広く行われています。

ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(GnP)

1回60〜90分の点滴を週1回・3週連続で行い4週目を休む、4週1コースの治療です。FOLFIRINOXと並ぶ推奨度の高い一次治療ですが、感染症・しびれ・脱毛などの副作用頻度が高く、やはりある程度の体力が必要です。

ゲムシタビン+S-1(GS)

国内の多施設共同研究で有用性が報告された治療法で、主に切除可能膵癌の術前化学療法として用いられます。

リポソーマルイリノテカン+5-FU/LV(nal-IRI/FL)

オニバイド®(リポソーム型イリノテカン)は2020年に国内承認され(治癒切除不能膵癌の二次治療以降)、ゲムシタビン系の一次治療後の二次治療として、FL療法と比べて有効性が示されています。イリノテカンをナノ粒子に封入することで、薬剤を腫瘍組織により届けやすくし、副作用の軽減をねらった製剤です。なお、FOLFIRINOXと直接比較した試験はないため、両者の優劣はまだ明確ではありません。

ゲムシタビン単剤

長年、進行膵臓癌の標準治療だった治療法です。1回30〜60分の点滴を週1回・3週連続、4週目休みの4週1コースで繰り返します。副作用が比較的少なく、高齢の方や体力がやや低下した方でも行いやすいのが特徴です。

S-1単剤

ゲムシタビンと同程度の効果が示されている内服薬です。1日2回を4週間続け、2週休む6週1コースを繰り返します。術後の補助化学療法(再発予防)や、GnP無効後の二次治療として用いられます。

オラパリブ(維持療法)

生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異を持つ、治癒切除不能な膵臓癌に対し、白金系抗がん剤を含む化学療法後の維持療法として承認された分子標的薬(PARP阻害薬)です。BRCA変異は膵臓癌全体の約5%前後と限られます。

第Ⅲ相POLO試験では、無増悪生存期間(PFS)の中央値がオラパリブ7.4か月 vs プラセボ3.8か月と延長を示しました。一方で、全生存期間(OS)の最終解析では19.0か月 vs 19.2か月と有意差は示されませんでした(ハザード比0.83)。ただし生存曲線は24か月あたりから分かれ、推定3年生存率は33.9% vs 17.8%でした。「進行を遅らせる効果は明確だが、全体の生存期間を延ばすかは結論が出ていない」という点を理解して選択することが大切です。
出典:Golan T, et al. N Engl J Med 2019(PFS/DOI:10.1056/NEJMoa1903387)、Kindler HL, et al. 最終OS解析。エビデンスレベル:第Ⅲ相RCT。

いまの治療を続けながら、できることを。
ご相談してみませんか?

標準治療を受けながら、免疫療法を組み合わせる設計を検討できる場合があります。
当院では検査結果とこれまでの治療歴をうかがったうえで、いま検討できる選択肢をご説明しています。
ご相談は無料です。

お電話でご相談

お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)

または、フォームでご相談

フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付







    お電話・メールのどちらか一方で結構です





    膵臓癌に対する放射線治療(粒子線治療)

    放射線治療は、手術や化学療法と組み合わせて使われます。特に手術が難しい局所進行癌や、術後の再発予防を目的として検討されます。膵臓の周囲には胃・十二指腸・小腸があり、従来のX線では照射できる線量に限界がありました。

    近年注目されるのが、陽子線・重粒子線などの粒子線治療です。病巣に集中的にエネルギーを届けやすく、特に重粒子線は周囲の正常組織へのダメージを抑えながら高い線量を照射できる利点があります。ただし、粒子線治療は限られた施設でしか受けられず、遠隔転移がある場合や腫瘍が消化管に広く接している場合には適応が難しいことがあります。保険適用の範囲も限定的なため、費用面の事前確認も必要です。

    2026年の最新動向:海外データと新規治療

    ここからは、標準治療として確立する前段階にある、注目度の高い新しい治療を紹介します。多くは国内未承認、または研究段階であり、「効果が確立した治療」ではない点を前提にお読みください。

    NALIRIFOX療法(海外で一次治療の標準に)

    NALIRIFOXは、リポソーマルイリノテカン+オキサリプラチン+5-FU+レボホリナートを組み合わせた4剤併用療法です。2週を1サイクルとし、5-FUを約46時間かけて持続投与するため、外来・在宅では皮下埋め込み型ポートの造設が一般的です。

    第Ⅲ相NAPOLI-3試験では、未治療の転移性膵癌でGnP療法と比較し、OS中央値11.1か月 vs 9.2か月(HR 0.84)、PFS 7.4か月 vs 5.6か月、奏効率41.8% vs 36.2%と改善を示し、2024年2月に米国FDAが一次治療として承認しました。
    出典:Wainberg ZA, et al. Lancet 2023。エビデンスレベル:第Ⅲ相RCT。

    日本国内の現状(2026年6月時点):NAPOLI-3試験に日本の施設は参加していなかったため、日本人を対象としたブリッジング試験(S095013-169、単群第Ⅱ相)が行われました。その最終解析は2026年3月の日本臨床腫瘍学会で報告され、OSはNAPOLI-3と同等の可能性、PFSはやや短い傾向と発表されています。一次治療としての国内承認は、本稿執筆時点では確認できていません(=今後の動向に注意が必要です)。なお、二次治療としてのオニバイド®+5-FU/LVはすでに国内承認済みです。
    出典:日本臨床腫瘍学会2026 報告(S095013-169 最終解析)。エビデンスレベル:単群第Ⅱ相(ブリッジング)。

    KRAS(RAS)阻害薬:daraxonrasib(RMC-6236)

    膵臓癌の約9割でKRAS遺伝子変異が関与するとされ、長らく「薬で狙えない標的」とされてきました。daraxonrasibは、活性型のRASを広く阻害する経口の多選択的RAS(ON)阻害薬です。

    既治療の転移性膵癌を対象とした第Ⅲ相RASolute 302試験のトップライン結果(2026年4月)では、OS中央値がdaraxonrasib 13.2か月 vs 標準化学療法 6.7か月(HR 0.40、p<0.0001)と報告されました。第Ⅰ/Ⅱ相(RAS G12変異・二次治療・300mgで奏効率35%)はNEJMに掲載されています。
    出典:第Ⅰ/Ⅱ相 RMC-6236-001(N Engl J Med 2025/DOI:10.1056/NEJMoa2505783、査読済)、第Ⅲ相 RASolute 302(メーカー発表トップライン、2026年4月。ASCO2026で発表予定、本稿時点で査読論文化前)。エビデンスレベル:第Ⅲ相トップライン+第Ⅰ/Ⅱ相。

    批判的に見るポイント:第Ⅲ相の結果は現時点でプレスリリースのトップラインであり、論文の完全な査読・公表を待つ必要があります。米国でブレークスルー指定を受け承認申請が進行中ですが、国内未承認です。Grade3以上の副作用も一定割合で報告されています。

    mRNAネオアンチゲンワクチン(autogene cevumeran)

    患者さん自身の腫瘍に固有の変異(ネオアンチゲン)をmRNAで標的化する、個別化がんワクチンの研究が進んでいます。代表例のautogene cevumeran(BNT122)は、膵臓癌を切除した後に、免疫チェックポイント阻害薬(アテゾリズマブ)と化学療法(mFOLFIRINOX)と組み合わせて投与されました。

    第Ⅰ相試験では、3.2年の追跡時点で、ワクチンに免疫応答した患者さん(8人)は無再発生存期間(RFS)の中央値に到達せず、応答しなかった患者さん(中央値13.4か月)と差がみられました(P=0.007)。応答者で誘導されたT細胞は長く維持され、2026年のAACRでは6年追跡で長寿命のT細胞メモリーが示されたと報告されています。現在は第Ⅱ相(IMCODE003、NCT05968326)で標準化学療法との比較が進行中です。
    出典:Rojas LA/Sethna Z, et al. Nature 2025(DOI:10.1038/s41586-024-08508-4、査読済)、AACR2026報告。エビデンスレベル:第Ⅰ相(少数例)。

    批判的に見るポイント:ワクチン接種を受けたのは16人と少数で、「応答者 vs 非応答者」の比較は相関(後ろ向き)解釈であり、応答者がもともと予後良好な集団だった可能性を完全には否定できません。また、ワクチンが力を発揮しやすいのは切除後の微小残存病変の段階で、診断時に切除不能・転移を有する多くの患者さんには現状あてはめにくい点も課題です。標準治療として確立したものではなく、第Ⅱ相の結果が待たれます。

    限界と批判的視点(まとめ)

    新しい治療のニュースは希望につながる一方、誇大に受け取らないことも同じくらい大切です。本記事で触れた新規治療について、現時点での到達点と限界を整理します。

    • オラパリブ:進行を遅らせる効果(PFS)は明確だが、全生存期間(OS)の延長は示されていない。対象はBRCA変異がある約5%の方に限られる。
    • NALIRIFOX:海外では一次治療の標準だが、国内一次治療としての承認は本稿時点で未確認。国内データは単群第Ⅱ相にとどまる。
    • KRAS阻害薬(daraxonrasib):第Ⅲ相のOS延長は大きいが査読前トップラインの段階で、国内未承認。
    • mRNAワクチン:第Ⅰ相の少数例・相関解釈であり、主に切除後の限られた状況が対象。確立した治療ではない。

    これらは「将来の標準治療の候補」であって、現時点の標準治療を置き換えるものではありません。新しい治療を検討する際は、エビデンスの強さ(試験のフェーズ・対象・主要評価項目)と、ご自身の状況への当てはまりを、主治医とともに確認することをおすすめします。

    当院の実例

    抗がん剤(ジェムザール+アブラキサン)に樹状細胞ワクチン療法を併用し、膵臓がんと腹膜播種の消失を病理でも確認した71歳男性

    腹膜播種と肝転移を伴う膵臓がんステージⅣで、手術の適応はありませんでした。胃から腹部にかけての不快感を契機に診断され、標準治療のジェムザール+アブラキサンを開始。他の治療を探す中で当院を受診し、樹状細胞ワクチン療法を併用しました。PET/CTでは膵臓がんの集積が消失し、腹膜播種が疑われた部位を腹腔鏡下に試験切除したところ、がん細胞は認めず、線維化した瘢痕だけが残っていました。再発予防のTS-1は副作用で中止し、現在は樹状細胞ワクチン療法のみで経過しています。

    症例の詳細を見る →

    ※個別の症例であり、治療効果には個人差があります。標準治療を土台に免疫療法を併用した一例であり、同じ結果をお約束するものではありません。

    プレシジョンクリニックの考え方

    当グループは、手術・抗がん剤・放射線という標準治療を治療の土台として尊重したうえで、患者さんご自身の免疫の力を活かす免疫療法を、補完的な選択肢として提供してきました。私たちは、最終的に再発を防ぐ核になるのは患者さん自身の免疫であり、その中心が樹状細胞であると考えています。

    当グループは、WT1を標的とした樹状細胞ワクチン療法を世界で初めて実用化(2007年)し、グループ全体で多数の症例を重ねてきました。近年、mRNAを用いたネオアンチゲンワクチンが研究段階で注目を集めていますが、これは私たちが取り組んできた「がん特有の目印を免疫に教える」という考え方と方向性を共有するものです。
    ※ネオアンチゲンを標的とする免疫療法には複数の方式(細胞ベースの樹状細胞ワクチン、mRNAワクチンなど)があり、これらは送達の仕組みが異なります。当院が提供する治療と、研究段階のmRNAワクチンは同一のものではありません。

    ※当グループの免疫療法には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものが含まれます。標準治療を否定するものではなく、リスクとベネフィットを評価したうえで、ご本人の同意のもとに設計します。

    膵臓癌治療をリードするハイボリュームセンター

    「ハイボリュームセンター」とは、年間の手術・治療件数が多い医療機関を指します。経験の蓄積により、難治性の膵臓癌でも比較的良好な治療成績が報告されており、専門チーム・最新技術・臨床試験へのアクセスといった強みがあります。

    世界的に評価の高い施設の例として、メイヨー・クリニック(米国)、MDアンダーソンがんセンター(米国)、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(米国)、シャリテ大学病院(ドイツ)などが挙げられます。国内では国立がん研究センター東病院や慶應義塾大学病院などが膵臓癌のハイボリュームセンターとして知られています。海外施設は個別化医療や新薬開発・臨床試験参加の機会が多く、国内施設は精密な診断と、国内承認された治療を迅速に実施できる体制に強みがあります。

    よくある質問(FAQ)

    膵臓癌のステージ4でも手術はできますか?

    遠隔転移があるステージ4では、手術での根治は一般に困難で、化学療法による病勢コントロールが中心になります。ただし、切除不能だった局所進行癌が化学療法で縮小し、コンバージョン手術が可能になるケースもあります。適応は主治医が総合的に判断します。

    FOLFIRINOXとGnP、どちらが効果が高いですか?

    どちらも推奨度の高い一次治療で、効果と副作用のバランスが異なります。両者を直接比較した大規模試験は限られており、一律にどちらが優れるとは言えません。年齢・全身状態・副作用の許容度などをふまえて選択されます。

    膵臓癌で使える分子標的薬はありますか?

    BRCA遺伝子変異がある方では、白金系化学療法後の維持療法としてオラパリブが選択肢になります。対象は膵臓癌全体の約5%前後で、適応にはがん遺伝子(パネル)検査が必要です。

    KRAS変異の膵臓癌に新しい薬はありますか?

    KRAS(RAS)を広く狙う阻害薬(daraxonrasibなど)が、既治療の転移性膵癌で第Ⅲ相のOS延長を示すトップライン結果を出しています。ただし査読論文化前・国内未承認の段階で、現時点で標準治療として受けられるものではありません。

    膵臓癌のmRNAワクチンは受けられますか?

    autogene cevumeranなどのmRNAネオアンチゲンワクチンは、現在も臨床試験(第Ⅱ相)の段階で、一般診療として確立した治療ではありません。主に手術で切除できた方の再発予防を対象に研究が進んでいます。この治験そのものを当院で受けることはできませんが、当グループは、がん特有の目印(ネオアンチゲン)を標的とするワクチン療法(樹状細胞ワクチンの一種)の提供実績とノウハウを有しています。送達の仕組みは治験で用いられるmRNAワクチンとは異なり、また標準治療として確立したものではありませんが、ご関心のある方は無料医療相談でお気軽にご相談ください。

    膵臓がんの標準治療を受けている方・終えた方へ
    次の一手を、当院に相談してみませんか?

    手術・抗がん剤・放射線のどの段階でも、標準治療に組み合わせて検討できる選択肢があります。
    抗がん剤が効きにくくなったとき、副作用がつらいときが、相談のタイミングです。
    これまでの治療歴とお体の状態をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

    お電話でご相談

    お近くの院をお選びください(平日10:00〜18:00/休診日はホームページをご確認ください)

    または、フォームでご相談

    フォームで相談する▼入力は2項目のみ/24時間受付







      お電話・メールのどちらか一方で結構です





      ※治療効果には個人差があり、すべての患者さんに同様の結果が得られるとは限りません。また、本記事で紹介した新規治療や免疫療法を目的とした薬剤等には、国内の保険適応や大規模臨床試験で標準治療として確立されていないものも含まれます。実際の治療は、リスクとベネフィットを評価し、ご本人の同意のもとで設計します。本記事は情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。

      監修医師:矢﨑 雄一郎医師

      監修医師

      矢﨑 雄一郎医師

      免疫療法・研究開発

      東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

      CATEGORY

      カテゴリー

      CATEGORY

      関連記事