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免疫療法

投稿日:2020.5.30/更新日:2026.10.21

膵臓がん:早期発見が難しい「サイレントキラー」

この記事でわかること

  • 膵臓の構造と、膵頭部・体部・尾部でのがんの発生割合
  • 喫煙・糖尿病・慢性膵炎・家族歴など膵臓がんの危険因子
  • 背部痛・体重減少・新規の糖尿病など初期サインと、黄疸などの警告サイン
  • 血液検査・画像検査・超音波内視鏡による診断の流れと、手術・抗がん剤・放射線・免疫療法の選択肢

膵臓がん(すい臓がん・膵癌)は早期発見が難しく、「サイレントキラー」とも呼ばれます。本記事では、
膵臓がんの症状、診断方法、最新の治療選択肢について、最新の医学的知見に基づいて詳しく解説します。

膵臓がんとは

膵臓の構造と働き

膵臓は胃の後ろに位置する長さ約15cm、重さ約100gの臓器です。消化酵素を分泌する外分泌機能と、
血糖値を調節するホルモンを分泌する内分泌機能の2つの重要な役割を担っています。

膵臓は以下の部位に分けられます。

  • 膵頭部(約60-70%のがんが発生)
  • 膵体部(約20-25%のがんが発生)
  • 膵尾部(約10-15%のがんが発生)

この解剖学的特徴が、膵臓がんの症状や治療方針に大きく影響します。

発生メカニズムと危険因子

膵臓がんの主な危険因子として、以下が挙げられます。

  • 生活習慣関連因子:喫煙(リスクを2-3倍上昇)/過度の飲酒/肥満(BMI 30以上)/運動不足
  • 既往歴・合併症:慢性膵炎/糖尿病(特に発症2年以内の新規糖尿病)/膵のう胞性疾患
  • 遺伝的要因:第一度近親者の膵臓がん罹患歴/遺伝性膵炎/BRCA1/2遺伝子変異

膵臓がんの症状と初期サイン

早期症状の特徴

膵臓がんの初期症状は非常に曖昧で、以下のような一般的な不調として現れることが特徴です。

  • 原因不明の背部痛や腹痛
  • 食欲不振
  • 原因不明の体重減少
  • 疲労感の増加
  • 新規発症または急激な悪化を示す糖尿病

見逃してはいけない警告サイン

以下の症状が出現した場合は、要注意サインとして認識する必要があります。

  • 黄疸:皮膚や白目が黄色くなる/無痛性黄疸は膵頭部がんの重要なサイン/急な発症が特徴的
  • 上腹部痛:食後の痛みが特徴的/背中に放散する痛み
  • 消化器症状:急激な食欲低下/説明のつかない吐き気・嘔吐/便通異常(特に脂肪便)

診断・検査

推奨される検査の種類

膵臓がんの診断には、段階的なアプローチが重要です。

  1. 血液検査(腫瘍マーカーや血糖値検査など)
  2. 画像診断(CT、MRI、超音波検査、PET-CTなど)
  3. 精密検査(EUS、ERCP、組織生検など)

最新の治療法

治療戦略の概要

膵臓がんの治療は、病期(ステージ)と患者さんの全身状態を考慮して、以下の選択肢から最適な方法を選択します。

  • 手術療法(膵頭十二指腸切除術など)
  • 化学療法

    • FOLFIRINOX療法
    • オニバイド+5FU/LV療法
    • ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法
  • 放射線療法(IMRTなど)

当院の実例

便潜血をきっかけに見つかった切除不能の膵体部がんステージ4(動脈浸潤・リンパ節転移)に、抗がん剤と樹状細胞ワクチン療法を併用し、4年以上無再発で経過している60代男性

がんが動脈に浸潤しリンパ節転移もあったため手術はできず、抗がん剤(FOLFIRINOX)を開始。全身倦怠感と食欲低下が出たことを機に当院を受診され、抗がん剤と併用する形で樹状細胞ワクチン療法を始めました。その後の検査でがんは画像上「影として残るのみ」と主治医から評価され、4年以上再発なくお元気に経過しています。「見つかったときには進行していた」膵臓がんでも、治療の組み立てで長期の経過が得られることを示す一例です。

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※個別の症例であり、治療効果には個人差があります。同じ結果をお約束するものではありません。

よくある質問

どんな症状があれば膵臓がんを疑って検査を受けるべきですか?

原因不明の背中や上腹部の痛み、体重減少、50歳以降に新しく出た糖尿病や急に悪化した糖尿病、皮膚や白目が黄色くなる黄疸は受診の目安です。腹部超音波で見つけにくい部位もあるため、CT・MRIや超音波内視鏡(EUS)を組み合わせます。

腫瘍マーカー(CA19-9)が正常なら安心ですか?

早期の膵臓がんではCA19-9が正常のことが多く、また体質的にCA19-9が作られない方もいます。マーカー単独では早期発見できないため、画像検査と合わせて判断します。

進行した状態で見つかった場合、治療はどう組み立てますか?

標準治療の抗がん剤や放射線を土台に、当院では樹状細胞ワクチン療法などの免疫療法を重ねて進行を抑える設計を行います。膵臓がんの治療ページでステージ別の考え方を説明しています。

膵臓がんが心配な方・診断されたばかりの方へ
検査と治療の進め方を、当院に相談してみませんか?

早期発見には超音波内視鏡やMRCP、診断後は遺伝子と免疫の検査が治療設計の土台になります。
標準治療に免疫療法を重ねる設計を、診断直後からご相談いただけます。
これまでの治療歴と検査結果をうかがったうえで、ひとつずつご説明します。ご相談は無料です。

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    監修医師:矢﨑 雄一郎医師

    監修医師

    矢﨑 雄一郎医師

    免疫療法・研究開発

    東海大学医学部を卒業後、消化器外科医として医療機関に従事したのち、東京大学医科学研究所で免疫療法(樹状細胞ワクチン療法)の開発に従事。現在はプレシジョンメディカルケア理事長として活躍中。専門分野は免疫療法及び消化器外科。著書『免疫力をあなどるな!』をはじめ、医学書の執筆も手がけ、医療知識の普及にも貢献。免疫療法の開発企業であるテラ株式会社の創業者。

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